「私、何か特別なことをしたいんです！」
彼女がAV出演の動機を問われたとき、彼女の表情には少し憂いが漂っていた。
しかし、彼女のはっきりとした口調からは、きっと彼女自身が悩み抜いて決断した強い「意志」が感じられた。
彼女の初体験は17歳のときで、相手は当時付き合っていた同級生の男の子だった。
彼とは大学進学のために彼女が東京に出てきてから離れ離れになり、連絡をとらなくなってしまった。
大学時代は真面目に勉強し、恋愛も経験した。
たまに好きでもない相手と、酔った勢いで一夜限りの関係を持ったこともある。
大学を卒業して数年、彼女はそろそろ30歳を迎えるときに自分の人生を振り返りながらこう言った。
「私は人生を後悔しているわけじゃないんです。
これまで充実していて、楽しいことも辛いことも経験してきました。
でも、ただそれだけなんです。本当に“普通”の人生を送ってきたんです。
もちろんいつかは結婚して子供を産みたいし、普通の人生も送りたいと思います。
でも、その前に何か特別なことをしたいんです」
彼女の人生は確かに“普通”だった。
劇的なドラマもなく、波乱万丈とは程遠い安定した人生。
彼女は多くの人と同じように、若い頃は自分は特別な存在だと信じ、人とは違う人生を望んだ。
しかし、成長して社会に出ると、その幻想は自然と消え、生活のために職を選ぶようになる。
ただ、彼女はその幻想にとり憑かれるのが遅かったのです。
大半の人は自分の人生に妥協し、どこかで諦めを感じながら生きている中で、彼女は自分に“特別”を求めるようになったのです。
そして、彼女が選んだのは、“普通の人生”を送っている女性が経験しないであろう「AV出演」でした。
「でもそれでは……」私は言葉を飲み込んだ。
彼女は“特別”を求めるあまり、AV出演について深く考えていないかもしれません。
自分の行為がカメラに収められ、それが商品として販売され、多くの人に見られるということの重要性。
その結果生じるであろう問題が、彼女が望む“普通の人生”に悪影響を与える可能性もあります。
私の目から見れば、彼女は明らかに覚悟が足りないように思えました。
しかし、これは私たちにとっては「ビジネス」であり、私たちの仕事は「商品」を作ることです。
彼女が出演を踏みとどまるかどうかは私の役目ではありません。
面接を終え、彼女が出演を許可されると、彼女は喜んで「ありがとうございます！」と深々とお辞儀しました。
私は自分の良心を押し込み、彼女に今後の撮影予定について説明し始めました。
作品名：素人AV体験撮影30 もえ 29才 OL
メーカー：シロウトTV
